わんちゃん大好き整体師、林里花です(^^)
今回は「機能障害」と診断されたシニア犬・ヒカリちゃん(17歳/トイプードル)が当院で受けた 2 回の施術と、おうちケアの様子を一つの記事にまとめました。少し長くなりますが、シニア期のわんちゃんと暮らす飼い主さんのヒントになればうれしいです。

1.来院のきっかけ――“歩けない”という突然の不安

約一か月前、ヒカリちゃんは自宅のカーペットの段差でつまずき、右後肢を床につけない状態に。
かかりつけの動物病院でレントゲン等を行いましたが骨折や脱臼はなく、「年齢による機能障害」という診断を受けました。
痛み止めや安静指示だけでなく「何か手を掛けてあげたい」と考えたパパさんがネット検索で当院を発見し、7 月 1 日に初来院。

2.初回カウンセリング――背中の丸まりと尻尾イン

玄関でご挨拶した瞬間、背中が大きく丸まり、尻尾は足の間。頭は下がり、目線は上目遣い――典型的な“防御姿勢”が見て取れました。
歩行チェックでは右後肢をほとんど使えず、三本脚でピョコピョコと移動。
触診で痛みのポイントを探ると、股関節周囲と内転筋に微妙な筋硬直があり、リンパの滞りも顕著。

3.初回施術――“とにかく優しく、ゆっくり”

  1. 全身リンパドレナージュ
    背中・腰部から四肢末端へ向け、皮膚をそっと撫でる程度の圧でリンパ液を誘導。
  2. 背骨・肋骨・骨盤のモビリゼーション
    指の腹で軽く振動を与え、呼吸に合わせて可動域を広げる。
  3. 股関節〜足趾のマッサージ
    内転筋→膝関節→踵→アキレス腱→足趾の順に「圧をかけずにゆらす」手技を徹底。

施術後、背筋が伸び尻尾がふわりと上がりました。
目もぱっちり開き、パパさんとしっかりアイコンタクト。
シニアでも“元の状態にもどろうとする力”はこんなに残っているのだと、私自身あらためて実感しました。

 

4.おうちケア指導――“これくらいでいいの?”の優しさ

ヒカリちゃんは極端に力を入れられると緊張が戻るタイプ。
そこで 、実際にパパさんの腕に触れ「これくらいでいいの?」と感じるくらいがちょうど良い、とパパさんにお伝えしました。

5.2回目来院(7月5日)――維持できた姿勢に拍手

4日後、今度はママさんも同行。
ママさんがヒカリちゃんを下ろした瞬間、私は思わず目を見張りました。初回に伸びた背筋がしっかりキープされ、右後肢にも体重が乗っています。
パパさんの“超ソフトタッチ”が功を奏した証拠です。

6.2回目施術――家族みんなで“触れ合う整体”

今回は ママさん中心 におうちケアの実践レクチャー。

  • まずはそっと触れる程度で全体を優しく撫でる
  • ヒカリちゃんが楽な態勢で行う
  • 短時間で良いので毎日の日課にする

ヒカリちゃんに有効なマッサージの場所や圧などもママさんにも実際に感じていただきました。

ママさんは「こんなにそっとでいいんですね」と目を丸くしながらも、すぐにコツを習得。
施術後は四肢の踏ん張りがさらに強くなり、自由に部屋を歩き回るヒカリちゃんにご夫婦そろって驚きと喜びの笑顔です。

7.シニア犬の可能性――“年齢=限界”ではない

17歳という年齢は、人間なら約80〜85歳。
確かに筋力や可動域は若い頃より落ちますが、「やさしい刺激」は脳と身体を同時に活性化し、QOL(生活の質)を底上げします。
特に

  • リンパの流れを促すこと
  • 背骨と骨盤の微細なズレを整えること
  • “安心できる触れ合い”を続けること
    は、シニア犬の元気を引き出す大きな鍵です。

8.ご家族へのメッセージ――“愛情の手”こそ最高のセラピー

わんちゃんにとって、いちばん安心できるのは飼い主さんの手。
プロの施術はあくまで“きっかけ”であり、日々のケアが体調安定と回復を支えます。
「これくらいでいいの?」と思う優しさの重ね塗りが、筋肉を緩め、関節を守り、免疫を整える――そう信じています。

9.今後のメンテナンス

お家ケアの状況や触れ方や圧の確認など、月1〜2回のメンテナンスをご提案させていただきました。

ヒカリちゃんのペースで、無理なく楽しく続けていけるといいと思います。

10.まとめ――ヒカリちゃんが教えてくれた3つのこと

  1. シニアでも治癒力は眠っている
  2. 強い刺激より“安心のタッチ”が効く
  3. 家族の愛情が最高の整体になる

この記事が、愛犬の歩き方や姿勢に不安を感じている飼い主さんの参考になれば幸いです。
ヒカリちゃん、またパパさん&ママさんと一緒にお待ちしていますね。ラブラブ♪

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※本記事は整体師としての臨床経験と一般的な解剖学・行動学知識に基づく見解です。